一口馬主の税金

こんにちは。大阪市福島区の税理士 樋口です。
私自身は一口馬主ではありませんが、先日知り合いから相談を受けた一口馬主の税金について。
一口馬主の仕組み等は省略します。

もうけたときや源泉徴収税額があるときは、クラブから送付される計算書類を基に下記2点をしっかりと検討して頂きたいと思います。

1.確定申告が必要かどうか。
2.還付されるかどうか。

確定申告が必要か?

分配金による所得金額(※1)が生じるときは確定申告が必要ですが、給与所得者(サラリーマン)で所得金額が20万以下なら確定申告をする必要はありません。

ただし、所得金額20万以下申告不要は、給与所得者で確定申告をしない人限定であるため、個人事業主や給与所得者でも医療費控除を受けるため確定申告する人は、20万以下であっても申告が必要となります。

※1 分配金による所得金額(=収入金額-必要経費)

収入金額…分配対象額のうち利益分配額。出資返戻金(もうけとは考えないので)は含まない。

必要経費…クラブの月会費、入会金、終了損失など。出資金や維持費出資金は含まない。

会員になったクラブによって違うかもしれませんが、ほとんどのクラブでは2月頃に計算書類を送付しており、その書類に収入金額、必要経費、所得金額、源泉徴収税額(※2)が記載されています。基本的には、これらの金額に基づいて申告をすることになります。

※2 源泉徴収税額

利益分配額に対して20.42%の税金が差し引かれています。
下記所得区分のところに記載している「匿名組合の利益の分配金」に該当するため、クラブ側は前もって税金を徴収しなければなりません。

確定申告する場合の所得区分

雑所得となります。

理由としては、匿名組合という事業体を用いた投資スキームになっており、一口馬主が受取る分配金は「匿名組合の利益の分配金」に該当するため。また、利益分配額が年間5万超の場合には、クラブより税務署へ「匿名組合契約等の利益の分配の支払調書」が提出されますので、もうけがでている人はそのことを税務署は把握していますのでご注意下さい。

雑所得に該当するため、仮に所得金額がマイナスとなっても給与所得など他の所得と損益通算はできませんが、雑所得内での通算(2以上のクラブに出資している方等)は可能です。

確定申告による還付

クラブから送付されてくる計算書類の源泉徴収税額に金額の記載がある人は、確定申告が必要ない方であっても税金が還付される可能性がありますが、一口馬主による所得金額やそれ以外の給与の所得金額等によって異なりますのでご注意下さい。

ある一口馬主の方のブログ(3クラブ、計数十頭に出資)を見ていると、複数の馬はしっかりと利益分配金があり、税金を源泉徴収されている一方で複数の馬は引退して終了損失が発生しているしており、トータルでみると所得金額(約11万)、源泉徴収税額(約8万)でした。このような場合には、確定申告して還付を受けた方がお得です。

おわりに

知り合いから相談を受けるまで一口馬主のことは聞いたこともありませんでしたが、いろいろ調べているとリスクはあるものの楽しめる投資だなと思いました。また、匿名組合という事業体を用いた投資スキームだったのは意外でしたし、出資返戻金の計算に馬の減価償却費が絡む(ブログでは触れていませんが)ところなんか面白いなと。

私は恐らくやらないでしょうが、一口馬主の方は楽しみつつしっかり儲けてほしいなと思います。

還付されるか知りたい方や所得税の確定申告について詳しく知りたい方は、当事務所では無料相談を行っておりますので、気軽にご相談下さい。

 

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